顔を上げたヴァニオンが、カルテンの胴衣《ダブレット》についた血に気づいた。
「何があったんだ」
「変装を見破られたんです」カルテンは肩をすくめた。「路地で教会兵の一団に襲われましてね。傷はどうってことありません」
セフレーニアが椅子から立ち上がった。
「手当はしましたか」
「スパーホークが包帯を巻いてくれました」
「傷口をお見せなさい。スパーホークの手当は、どうも簡単すぎるきらいがありますからね。座って、胴衣《ダブレット》をお脱ぎなさい」
カルテンはちょっと不平をこぼしたが、言われたとおりにした。
セフレーニアは包帯をほどき、脇腹の傷口を見て顔をしかめた。
「消毒をしなかったのですか」
「ワインで拭《ふ》きました
黄金t+d手续费よ」とスパーホーク。
セフレーニアはため息をついた。
「まったくあなたは」の前に行き、外にいる若い騎士の一人に治療の道具を取りにいかせる。
「スパーホークが情報をつかんだそうです」カルテンが騎士団長に告げた。
「どんな情報だ」ヴァニオンが尋ねる。
「クレイガーを見つけました」スパーホークは椅子を引いた。「西門のそばの売春宿に泊まっていたんです」
セフレーニアの片眉が
秘魯马卡上がった。
「売春宿などで何をしていたのです、スパーホーク」
「長い話でしてね」スパーホークはかすかに赤くなった。「いずれお話ししますよ。とにかくその売春宿にハーパリン男爵がやってきて――」
「ハーパリンが?」ヴァニオンが驚いた顔になる。「売春宿になんて、おまえよりももっと用のない男だろう」
「クレイガーに会いにきた
葡萄酒知識んです。わたしも何とか中に入って、二人が会っている隣の部屋にもぐりこみました」スパーホークは手短に、アニアス司教の計略の詳細を語った。
スパーホークの報告を聞いて、ヴァニオンは顔をしかめた。
「アニアスのやつ、思った以上に情け容赦のない男だな。大量虐殺まで考えるとは、想像していなかった」